確定申告時の節税ポイント!青色事業専従者か配偶者控除の選び方

確定申告における節税ポイントとして「青色事業専従者」、「配偶者控除」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。

それぞれの相違点を知ることで、上手に節税に生かすポイントを知りましょう。

青色事業専従者の基礎知識

まずは青色事業専従者の基礎知識と専従者に支払う給与について簡単にご説明します。

青色事業専従者とは?

青色事業専従者は、確定申告において青色申告をする方に関係するキーワードです。

青色申告を行う個人事業主などが、事業に従事させている者で、以下の3つの条件を満たす人を指します。

1.青色申告を行う人と、1つの生計を立てている配偶者もしくは親族であること
2.15歳以上であること(青色申告にて確定申告を行う年の12月31日現在)
3.1年のうち6カ月以上、青色申告をする方の事業に従事している事

青色事業専従者給与とは?

青色事業者専従者給与は、言葉の通り青色事業専従者の条件を満たした人に支払われている給与を指します。

青色事業専従者に支払われる給与は、配偶者や親族と言った身内に支払われるものですが、必要経費として認められるのが大きなメリットです。

ただし、条件を満たした上で、事前に手続きをする必要がありますので注意が必要です。

確定申告時の節税ポイント!青色事業専従者か配偶者控除の選び方

青色事業専従者給与に必要な手続きは?

青色事業専従者給与として経費計上するためには、あなたが確定申告を行っている税務署に対して事前に書類を提出する必要があります。その書類が「青色事業専従者給与に関する届出書」です。

提出すべき期限は、実際に青色事業専従者給与を支払おうとする年の3月15日までと決まっています。また青色事業専従者は一人に限定されないため、人数を増やすことも可能です。しかしこの時も届出を出す必要がありますので覚えておいてください。

また税務署に提出する書類には、当然仕事内容や支払う給与・賞与額も記入する欄がありますので、詳細を確定させておきましょう。

白色申告にも専従者控除は適用される?

青色事業専従者控除という制度は、青色申告をする人だけに限定されるのでしょうか?

結論から言うと、白色申告をする方にも専従者控除という制度はあります。その違いは税金の控除額と、事前に税務署に書類を提出する必要性の有無の2点です。

白色申告を行っている方は、事前の届け出は不要です。その一方で、控除が可能な税額は以下のいずれかのうち金額が低い額と限定されます。

・86万円(配偶者)、50万円(配偶者以外の親族)
※1名あたり
・控除を行う前の事業所得の総額÷(専従者の人数+1)

確定申告時の節税ポイント!青色事業専従者か配偶者控除の選び方

配偶者控除の基礎知識

続いて配偶者控除の基礎知識と、適用を受ける為の条件について見ていくことにしましょう。

配偶者控除とは?

配偶者控除は確定申告において納税をする人に、一生計で生活している配偶者がいる方に適用されます。

次にご紹介する条件に該当していれば、確定申告時に38万円の控除が受けられるお得な制度です。

配偶者控除を受ける為の条件

満たすべき条件は4つあります。そしてその条件のすべてに、確定申告を行う年の12月31日現在で該当する必要があるため、チェックしておきましょう。

1.戸籍上における配偶者(内縁の妻、事実婚は除外)
2.1つの生計で生活をしていること
3.事業専従者にあたらないこと
※青色事業専従者の場合、届出のみで給与を受け取っていない場合は可
4.年間の給与収入が103万円以下であること

確定申告時の節税ポイント!青色事業専従者か配偶者控除の選び方

青色事業専従者給与と配偶者控除を比較しよう

青色事業専従者給与と配偶者控除の基礎を知ったところで、どちらを選ぶかを判断するポイントをご紹介します。

青色事業専従者給与のメリット・デメリット

青色事業専従者給与のメリット・デメリットを知っておきましょう。

メリットとしては、専従者給与を受けとる側から見ると所得が圧縮されるので、支払うべき税金を安く抑えられます。また事業者からすると経費計上が可能となることから、会社としての節税に繋がります。

一方のデメリットとしては、逆に受け取る額によっては配偶者に納税義務が生じる可能性が起こることです。

配偶者控除のメリット・デメリット

配偶者控除のメリットとしては、配偶者には税金の納付などの負担は起こらない点です。

デメリットとしては節税メリットが小さいことです。

ただし、将来的に配偶者控除の条件となる103万円の壁が150万円に引き上げられることが検討されているため、今まで適用されなかった家庭でも該当する可能性が出てきます。

青色事業専従者給与と配偶者控除の併用は不可

もう1点知っておくべきことは、青色事業専従者給与と配偶者控除を併用することはできないという点です。

このことは、配偶者控除を適用する際の条件として、青色申告もしくは白色申告の専従者でないことと規定されています。つまり、どちらを選ぶのが節税になるのかを考える必要があります。

個人事業を行っている方の節税ポイントとして、専従者制度を適用するという選択肢もあるでしょう。しかし、配偶者などがフルタイムで働いている場合は、適用できないなど様々な制約があります。

そのため、青色事業専従者給与と配偶者控除のいずれを選択するのがより節税となるのかを都度見直すことが大切です。