初心者向け!単式簿記と複式簿記の違いを理解できるヒント

 

単式簿記と複式簿記、どちらもあまり耳にする言葉ではないかもしれませんが、確定申告を行う個人事業主にとっては、違いを理解しておく必要があります。

今回は、その2つの違いを理解するためのヒントを解説しながら、簿記の基本をご紹介していきたいと思います。

単式簿記と複式簿記は何が違うの?

それではさっそく、2つの違いについてお話していきます。

表す取引の内容が異なる

単式簿記では、取引科目を1つに絞り、記帳するものになります。簡単に言えば家計簿などと同じで、支出額と収入額のみを表すものです。お金の流れをシンプルに表すことができるため、初心者の方や簿記の知識ゼロであっても問題ないでしょう。

しかし、複式簿記は、取引の流れをもっと詳細に表すことが出来るのです。単式簿記では支出額と収入額のみでしたが、複式簿記では支出した原因まで記録することができます。このため、法人の場合は基本的に、複式簿記を用いて会計を行っています。詳しくお金の流れを残すことで、不正を未然に阻止するという理由もあります。

つまり、単式簿記と複式簿記の違いは、お金の流れをシンプルに表すか、詳細に表すかということになります。

それぞれのメリットとは

ではそんな単式簿記と複式簿記にはそれぞれどんなメリットがあるのか、解説していきます。

1.単式簿記のメリット

まず、単式簿記のメリットとしては、最もシンプルな方法で支出や収入を記録することができるため、誰が見ても分かりやすく、簡単であるということでしょう。収入から支出を差し引けば、その月や年が赤字だったか黒字だったか、残高はいくらあるのか、全て把握することができます。

2.複式簿記のメリット

次に、複式簿記のメリットとしては、単なるお金の流れが分かるだけではなく、経費が増加したのか資産(現金)が減少したのかという詳しいところまで記すことが出来るのです。

ただ、言葉だけだと少し分かりにくい点もあるかと思いますので、実際に何かを購入した場合の記入例を見ていきましょう。

初心者向け!単式簿記と複式簿記の違いを理解できるヒント

 

違いが分かりやすくなる具体例

それでは、今回は例としてノートを5冊購入したという設定でご説明していきますね。

単式簿記の記入例

単式簿記の場合は、下記のような記入例となります。

・2016/8/10 勘定科目…消耗品費 金額…500

8月10日ノートを500円で購入したということが分かりますね。単式簿記はこのように記帳していくことになります。

複式簿記の記入例

・2016/8/10 借方…消耗品費500 貸方…現金500

という形になります。

1.消耗品費(経費)が500円増えた
2.現金が500円減った

複式簿記で記帳することにより、経費がどのくらい増えたのか、それによって現金が何円減ったのかというところまで分かりますね。

借方と貸方って何?

複式簿記になると突然あらわれる借方と貸方という言葉、どういう意味なのか分からないという方も多いと思います。最後に、簡単に借方と貸方についてご説明していきますね。

位置を意味するもの

借方は左、貸方は右といったように、必ず記入する位置が決まっているのが特徴です。複式簿記にて記帳していくためには、位置を覚えることから始めましょう。

現金の増減だけを意識する

・現金が増えた場合の記入例
借方…現金400円 貸方…売上高400円

・現金が減少した場合の記入例
借方…交通費1000円 貸方…現金1000円

難しく考えると記帳を始める前に挫折してしまう恐れもあるため、この流れだけを覚えるようにして下さい。お金が増えたら左側に増えた現金を記入する、お金が減ったら右側に減った現金を記入する、ここだけはおさえておくと良いでしょう。