グリーンバレー神山町から学ぶ仕事のあり方

フリーランスの方なら、事務所を自宅の中に設け、人とあまり関わらずに作業に取り組んでいる方も少なくないでしょう。しかし、外の世界とあまりにも遮断された空間では息が詰まり、仕事の効率も次第に落ちていってしまうということも珍しくありません。

そんな窮地を抜け出すために、一度事務所を離れてみませんか?仕事を放棄するというのではなく、今の作業場以外で仕事を始めてみるのです。今回は、神山バレーと呼ばれる不思議な共有ワーキングスペースについてご紹介していきましょう。

グリーンバレーと神山町

神山町は徳島県にある町のひとつで、山々に囲まれた自然豊かな場所です。特産物は「すだち」で、日本一の生産量を誇っています。その他、温泉や四季を楽しむおまつりも盛んな地域です。そんなとある町を大きく変えたのがNPO法人グリーンバレーだったのです。

グリーンバレーの活動

グリーンバレーの目的は、田舎を魅力的に変えるということ。“せかいのかみやま”と呼ばれる町づくりをコンセプトに力を入れたのが、長期滞在の支援やアーティストなどの制作を支援するというものでした。

都市部に行かなければ仕事がない。田舎を出て都会で仕事する。そんな発想を打ち破るべく、都会で働くフリーランスのクリエイターやエンジニアなどを受け入れ、神山町でのビジネスを支援していくことで、人口増加を叶えたのです。

なぜ神山バレーが人気を集めているのか

ではなぜ、神山バレーに人は集まるのか。人気を博しているのか。その理由についてまとめていきましょう。

1.移住者が孤立しないための取り組みが盛ん

都会の喧騒から抜け出してきたフリーランスの移住者たちが、一番はじめに不安に感じることといえば、誰一人知らない土地であるということです。話す人もいない中、新しい土地で知らないお店に入るのも緊張と不安を覚えるでしょう。

しかし、神山バレーの取り組みで、同じ境遇にいる移住者たちが交流できるイベントなどが開催され、そこに招待してもらえるのです。たった一人で交友関係を切り開いていく必要はなく、皆が集まる場をきちんと設けてくれるところだからこそ、刺激を受けながらも安心して仕事に取り組むことができるのだと思います。

2.都会とは異なる豊かな自然と町の人々

ビルやオフィスが立ち並び、電車はいつも満員、そんな生活に少し疲れたと感じる方はとても多いことでしょう。神山は豊かな自然に恵まれている中で、仕事を始める設備は完璧に整っている、そんな不思議な町なのです。

フリーランス以外に、企業も神山バレーに注目しているのはそこです。毎日同じ景色、同じ環境、うんざりする都会の街、そんな場にいては生産性も仕事効率もいつしか落ち込んでしまう。そう考え、新しい風を吹き込もうと神山バレーでの仕事を取り入れた会社もあります。異なる空間での仕事は、効率や生産性をも上げる効果があるのかもしれません。

3.町全体が仕事場に

神山への移住者たちは、自宅に閉じこもって仕事をする必要はありません。料金さえ支払えば気分転換に共有施設での作業もできますし、カフェなどでの作業も遠慮せず行うことができます。

都会では人でごった返す場所も、神山の静かで穏やかな自然空間の中にいる人々は、喧騒とは真逆の存在でしょう。学業においても神山バレーの施設は役立っており、家族がいても安心して移住ができるところも人気の秘密なのでしょう。

神山バレーの利用方法

魅力溢れるサテライトオフィス・コンプレックス。利用するためには、どのような手続きが必要となるのでしょうか。

利用プラン

まず、施設を利用するために参考にしたい料金プランからみていきましょう。

初めての方向けビジタープラン

料金…1日1000円(学生無料)

こちらのプランなら、お試しで使用することができます。お試しといっても1日の利用料は1000円で、さまざまなスペースの利用が可能です。

月額支払いのメンバープラン

こちらのプランには、席指定ができ、法人向けの固定席プランとフリーランス向けの自由席プランがあります。

法人の場合、住所の設定や郵便物受け取りなど、さまざまなサービスを利用できるため固定席プランがおすすめです。また、どちらも24時間の利用が可能となっています。

・自由席プラン…料金月額7500円
・固定席プラン…料金月額15000円

企業向けカンパニープラン

大人数でのお仕事にはこちらのプランが最適です。

料金…月額30000円

10名までの利用が可能ですが、固定席ではありません。

まとめ

この取り組みで叶えられたのは、単に過疎化地域の再建だけではないといえるでしょう。色々な問題を抱える現代人にとって、仕事環境を選択できるということは精神面においても大きなプラスになると思います。

フリーランスで事務所を構えることに悩んでいる方、自宅での仕事に行き詰まりを感じている方、もっと思想を広げさまざまな刺激を受けながら事業発展を試みたい方、たくさんのニーズに応えられる環境となっているのではないでしょうか。一度慣れ親しんだ場所から離れてみることも、必要かもしれませんね。