新米個人事業主が確定申告で迷う「事業所得」と「雑所得」の違いとは

 

個人事業を始めたばかりの方が最も困惑するのが、1年に1回申告する必要がある「確定申告」ですよね。

そこで今回は、初めての方が迷うことの多い、事業所得と雑所得の違いについてお話していくとともに、青色申告と白色申告どちらを選択すべきかについても解説していきたいと思います。

事業所得とは?

まず、事業所得についてですが、事業所得というのは、簡単にいえば事業から生じた所得のことです。事業は、ネットビジネスもそうですし、漁業や農業、サービス業などのことを指します。

事業所得の金額については、「事業を行ったことで得た収入額」から「事業のために必要となった経費」を差し引くことで求めることが出来ます。

事業所得と雑所得はどう違うの?

事業所得と雑所得、この2つにはどのような違いがあるのかご説明していきましょう。

まず、事業所得は損益通算が可能ですが、雑所得では不可となっています。では、損益通算が可能か不可能かによって何が変わるのでしょう。

損益通算って何?

損益通算というのは、事業で赤字が生じた場合、損失が出た場合に、その他の所得で生じた利益から赤字分を差し引くことができるというものです。

ただ、あなたが事業で得た収入が、事業所得であると認められなければ、事業所得ではなく、雑所得になってしまうため、損益通算できないことになります。事業所得とされるのは、「安定した収入が継続的にある」のが基本です。ライターやデザイナーなどは基本的に事業所得として認められますが、アフィリエイト収入の場合は、規模や収入によっては認められない場合もあります。

特別控除が有るor無い

事業所得の場合は、青色申告特別控除というものを受けられるため、節税効果が期待できます。これは、白色申告にはないもので、10万円の控除か65万円の控除かを選択することができます。

このように、事業所得と雑所得では、意外にもたくさんの違いがあることが分かりますね。では、特別控除についてもう少し詳しくお話していきたいと思います。

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青色・白色どちらを選ぶ?

新米個人事業主にとっては、青色申告にするべきなのか白色申告にするべきなのか、というところでまず迷うものですよね。特別控除があるから青色申告の方が良い、という意見や、青色申告は難しいから白色申告の方が良い、という意見など、さまざまです。しかし、白色申告は、平成26年より変更となった点があります。

白色申告の変更点とは?

白色申告の方は、青色申告のように毎日の収入や経費、取引内容を記帳する義務や。書類の保存が必要ありませんでした。(総所得が300万円以上の方は必要)そのため、記帳の手間が無くて良いからと、白色申告を選ぶ方も少なくはなかったのです。

しかし、平成26年度からは、総所得には関係なく、白色申告の方にも記帳や帳簿の保存が義務化されることになりました。そのため、現在では青色申告で申告し、控除を受ける方がメリットが高いといえるでしょう。

青色申告で確定申告するには?

青色申告で確定申告を行う際には、事前に申請書の提出を行う必要があります。そして、10万円か65万円か、どちらかの特別控除を選択します。

・特別控除10万円

帳簿づけは単式簿記
損益通算書のみ作成

・特別控除65万円

帳簿付けは複式簿記
損益通算書+賃借対照表の作成が必要

2つの違いは主に上記の点です。65万円の控除を受けることは、かなりの節税になりますが、確定申告書類の作成が少し難しくなるというデメリットもあります。ただ、青色申告を選択する方が、メリットが大きいということが分かりますね。MFクラウド会計などのオンラインソフトを利用すれば、記帳がとても簡単になるため、そういったものを活用することをおすすめします。