売上高1000万円の落し穴?個人事業主が覚えておきたい簡易課税制度

 

もうすぐ売上高が1000万円に到達?それなら今すぐ消費税対策を行う必要があります。節税しにくく、対策をしていないとかなりの税負担が増えることになるのが、消費税です。

今回は、個人事業主の方が覚えておきたい消費税対策「簡易課税制度」について詳しくご紹介していきたいと思います。

こんなパターンが多い?消費税トラブル

ではまず、個人事業主の方が起こしやすい消費税トラブルについて、例を用いてご紹介していきましょう。

・個人事業主Sさんのお話

個人事業主Sさんは、事業開始から少しずつ売上高を伸ばし、2014年には、売上高1000万円を突破しました。それからも順調に売上高は伸び続けていたものの、日々の帳簿記入や領収書の管理などは、全て奥様任せとなっていました。

税金のことはあまり深く考えずに、申告だけ済ませておけば大丈夫、そう思っていた時、突然「2016年から消費税を納めて下さいね」と言われたのです。

さて、突然消費税と言われた奥様は、きちんと対策をとることができるでしょうか。中々難しいかと思います。この例は、本当によくありがちな消費税トラブルのパターンなのです。

ちなみに、消費税を甘く見ていると、こんなに消費税を納めなければならないのか…と、かなりの痛手を負うことになります。

簡易課税制度で節税になる仕組みとは

では、具体的にどうすれば消費税負担を軽減させることができるのかというと、簡易課税制度を利用するのです。簡易課税制度を利用することで得られるメリットは、消費税負担がかなり減額されるということです。

原則的に、納税する消費税額を求めるためには、「受け取った消費税」-「支払った消費税」という計算式を用いて割り出します。しかし、簡易課税制度を利用していれば、「受け取った消費税」-「受け取った消費税×みなし仕入れ率」という計算にて求めることになります。

計算例

個人事業主Sさんの平成27年度の売上高…1500万円
Sさんが受け取った消費税…約111万円(1500÷1.08×8%)
Sさんが支払った消費税…約37万円(支払い経費の中で、消費税対象額が500万円の場合)

原則的な計算式を用いれば、Sさんが納める消費税額は、111万円-37万円=74万円となるわけです。

しかし、簡易課税制度を利用した計算式を用いると、「受け取った消費税111万円」-「111万円×80%(みなし仕入れ率の第二種事業)」=約22万円となるのです。

みなし仕入れ率の内容

個人事業主Sさんは、小売業と仮定して計算しましたが、みなし仕入れ率は事業種によって異なります。

・卸売業(第一種)…90%
・小売業(第二種)…80%
・製造業等(第三種)…70%

これらの業種以外のみなし仕入れ率については、国税庁ホームページにて記載されておりますので、下記URLをご確認ください。

国税庁ホームページURL:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6505.htm

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簡易課税制度の届出書を提出しよう

簡易課税制度を利用して消費税を節税するためには、あらかじめ届出書を提出しておく必要があります。そのため、売上高が1000万円を超えるかどうか、きちんと日々の帳簿付けをしておくことが大切になるのです。

簡易課税制度の届出は、新年度が始まる前に提出しなければなりません。例えば、2014年の売上高が1000万円を超えていたら、課税期間となる2016年度が始まる前に提出しなければいけないということなのです。

税金の仕組みは、難しく感じてしまいがちですが、知らないのと知っているのとでは、納税額にかなりの差が生じます。売上高が上がるということは、それだけ税負担も増えるということなので、こうした制度を賢く利用し、上手に節税対策をとっていきたいものですね。