個人事業主のための「ふるさと納税」の計算方法や限度額まとめ

ふるさと納税を利用している方の数は年々増え、今は利用していなくても、始めてみようかな?と考えている方がほとんどですよね。まだ始めていない方の多くは、いまいち仕組みがよく分からない・本当にお得なのか、疑問を持っているからだと思います。

そこで今回は、個人事業主のためのふるさと納税をテーマに、計算方法や限度額などについてお話していきたいと思います。これから始められる方はぜひ参考にしてみてくださいね。

2016年から設定された新制度とは

ふるさと納税制度について、初めに確認しておきたい事があります。それは、2016年より設けられた新制度による変更箇所です。

個人番号(マイナンバー)が必要になります

個人番号が付与されてから、色々な手続き・申請に番号の記入が必要になっています。ふるさと納税に関しても同じで、個人番号と本人確認書類のコピーが必要となりました。

・通知カードをお持ちの方(紙製、顔写真なしのもの)
通知カードの場合は、免許証などの本人確認書類を別途コピーする必要があります。
・個人番号カードをお持ちの方(発行希望者に付与、顔写真つき)
このカード1枚で全ての確認が完了します。

今更聞けないマイナンバーについて!通知カードと個人番号カードの違いは何?

 

得するために知っておくべき限度額

ふるさと納税を始める前に確認しておきたいのが、「あなただけのお得になる限度額はいくらか」ということです。限度額はあなたの収入などにより決まってくるため、一人一人限度額は変わるものと思っていてください。

限度額の範囲内ならお得になる

限度額を超えないふるさと納税なら、あなたが負担しなくてはならない金額は2000円だけになります。

ふるさと納税のために納めた税金から2000円を差し引いた金額は、
・所得税
・住民税(基本、特例分)
より控除されるのです。プラス特産品がもらえるとなれば、とてもお得に感じますよね。

簡易課税と原則課税、どちらがオトク?違いと仕組みを解説します

 

個人事業主のふるさと納税計算方法

それでは限度額と合わせてふるさと納税の計算方法について解説していきます。

課税所得額と所得税率を調べよう

まず、計算するためには、あなたの課税所得額と所得税率を調べておく必要があります。

個人事業主の方なら、課税所得額は毎年の確定申告書へ記載している額です。(所得-基礎、社会保険料、医療費などの控除=課税所得額)

所得税率は、課税所得額によって異なります。当てはまる税率によって限度額の計算式も変化していきますので、確認してみましょう。

限度額の計算方法

課税所得額をA、所得税率をBとします。

・A195万円以下→B5.105% A×2.36%=限度額
・A330万円以下→B10.210% A×2.51%=限度額
・A695万円以下→B20.420% A×2.87%=限度額
・A900万円以下→B23.483% A×3.01%=限度額

この式を用いて例をみてみましょう。

例)課税所得額300万円の個人事業主Sさんの場合
300万円×2.51%(=75300円)+2000円=限度額77300円
※あくまで目安としてお考え下さい。

約7万円までなら負担額が2000円より上がることなく、支払っている税金から控除されることになるということが分かりますね。所得が高額であれば高額であるほど負担額は変わらず、ふるさと納税に利用できる額は増えるため、特産品をお得に手に入れられることになります。

負担額が増えないか心配!という方は、税理士へ正確な限度額の算出を依頼するのも手ですし、目安額よりも低めにしておくことをおすすめします。

確定申告の際は忘れずに記入しよう

ふるさと納税をすると、その自治体から受領証明書というものが送付されます。この証明書は、あなたが寄付金を納めたことを証明するものになりますので、そこに記載されている内容を確認しながら確定申告書に記入していきましょう。

ふるさと納税は、都道府県・市区町村に対する寄付金に該当するため、その部分へ記入することも忘れないようにしてくださいね。