豊かな老後を送るために!厚生年金保険と国民年金の3つの違いを理解しよう

私たちが国におさめている「厚生年金保険」または「国民年金」は、老後の生活資金のために必要なものです。目的は同じだとしても、なぜ2つの名称が存在しているのか、その理由についてはご存知でしょうか。

今回は、老後のためにもしっかりと理解しておきたい「厚生年金保険と国民年金の違い」についてご紹介していきたいと思います。

1.そもそも制度が異なる

国民年金(基礎年金)…国内居住者(20歳以上~60歳未満)が必ず加入しなくてはならない年金制度
厚生年金保険…基礎年金にプラスして会社員などが加入している公的年金制度

見て頂くと分かるように、国民年金は基礎年金、厚生年金保険はベースとなる国民年金にプラスしてかけている保険となるわけですね。厚生年金保険加入者の会社員の方は、国民年金には加入していないという認識をしている方が多いのですが、そうではないのです。

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2.年金保険料の違い

基礎年金のみである国民年金と、双方に加入していることになる厚生年金保険では、支払う保険料にも差があります。

国民年金の場合

国民年金に関しては、平成28年より保険料が増額され、現在は毎月1万6260円の支払いが必要となっています。(平成29年にはさらに増額することが決定)

厚生年金保険の場合

厚生年金保険の場合、毎月のお給料やボーナスから保険料は設定され、会社と折半で支払うことになります。国民年金加入者に比べ、支払う保険料は高くなり、収入にもよりますが、一ヶ月の給与収入が30万円程度だとすると、大体3万円程度の保険料となっています。

約3万円と1万6260円では、差がありすぎるのでは?と思われた方もいらっしゃるでしょう。確かに支払っている金額だけを見ると厚生年金保険の方が損をしているような気がしてしまいますよね。しかし、支払う金額が大きい=受給金額に差が生じることになるのです。

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3.受給金額の違い

国民年金を老後受け取るには、25年間以上保険料を納めていることが条件となります。60歳まできっちり支払った場合、受け取ることができる年金額は約6万5000円となります。

一方厚生年金保険では、基礎年金の支給要件プラス厚生年金の被保険者期間一ヶ月以上が条件となっていますが、受給額は国民年金のみ加入している場合と比べ、倍以上となるのです。

受給金額は月収額により異なるのですが、きっちり40年間サラリーマンとして働いた場合、月15万円以上を受給される方がほとんどでしょう。もちろんその分支払ってきた保険料は多くなっていますが、それでも会社との折半になっているため、個人事業主と会社員の差は大きいと言えますね。

厚生年金保険には他にもメリットがある

受給額に大きな差があるだけでなく、厚生年金保険加入者にはさらなるメリットが与えられます。

それは、
配偶者の年金保険料を支払わなくてもよい
ということです。基礎年金である国民年金の考え方としては、国民一人一人が加入するものとなっており、扶養の概念は存在しません。

一方、厚生年金保険の場合は、会社にて手続きを行うことにより、配偶者を第三号被保険者とすることができるため、保険料は一人分でOKということになるのです。配偶者がいない場合では、基礎年金のみの方が金額は少額となりましたが、配偶者がいる会社員となると、金額が逆転することになります。

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国民年金加入のみの事業主が出来る対策

では、国民年金にのみ加入している個人事業主の方は、老後のために自分で貯金していくしかないのかというと、そうではありません。

国民年金基金を利用しよう

国民年金基金は、厚生年金保険加入者との差をなくすために、個人事業主の方におすすめの年金制度になります。基礎年金にプラスしておさめることになるため、保険料は高くなりますが、長期化する老後を保証するためには加入しておきたい制度といえるでしょう。