海外出張保険におけるフリーランスと会社員の違いとは?

個人事業主であっても会社員であっても、海外への出張が必要になる場合はあります。そういった国際的なビジネスに従事しているのであれば、知っておきたいのが海外出張における保険についてです。

出張は観光目的の旅行とは異なるため、会社員の方であれば会社側が加入しているものと思っている方も多いでしょう。しかし、会社が絶対的に加入しているかというと、そうではない場合もあります。個人事業主の場合なら、もちろん個人で加入しておかなければならず、確定申告においても要確認事項となります。

そこで今回は、海外出張保険をテーマに、フリーランスと会社員とではどのような違いがあるのか、保険額の相場などについても解説していきます。

海外旅行保険~会社員の場合~

会社員の場合、海外出張のための保険をかけていなくても、労災でケガなどの治療費はまかなわれます。その費用を従業員である個人が支払う必要はありません。しかし、海外と国内では治療費に大きな差が生じます。

海外旅行保険に入る必要性

保険加入が必要といわれるのは、海外の病院を利用しなければならないほどの病気やケガをした場合、治療費が国内での治療とは比べものにならない額になるためです。日本では、健康保険証を掲示することで国民の負担額が抑えられる仕組みとなっていますが、海外ではそれが不可となります。

この場合、会社が保険加入していれば保険が適用されますが、非加入の場合、会社が負担する額は恐ろしい額になってしまうこともあるのです。

会社員でも注意すべきこと

フリーランスとは異なり、会社員なら会社が責任をとってくれて当たり前と感じがちですが、大手企業ではなく小企業の場合などは、トラブルの元となる可能性もあります。

海外出張が主な業務となっている場合、いざそのような事態となったとき、「自ら保険加入しておくべきだ」と、責任逃れをされることも考えられなくはないのです。そのため、出張の際は会社が保険加入しているかどうかの確認はもちろん、非加入の場合は、会社側が治療費などを全額負担してくれるのか、書面での証明書を残しておくことも大切です。

海外出張保険におけるフリーランスと会社員の違いとは?

海外旅行保険~フリーランスの場合~

会社員とは異なり、フリーランスの場合は自ら保険に加入しておかなければなりません。先述したように、負担できないほどの治療費を支払うことになる可能性がないとは言い切れないためです。

フリーランスの場合は経費として計上可能

個人で事業を行っている方は、毎年確定申告されていますね。海外出張にかかる費用については、確定申告にて海外渡航費として経費計上することができます。しかし、この海外渡航費は必ずチェックが入る経費項目といえるため、適正な金額といえるかどうか、注意しておく必要があります。

特に、行程表の保存は重要です。目的や日程、どのように業務に関連しているのか、渡航に至る動機なども詳しく書面にて残しておくとよいでしょう。

出張中の休日期間は経費になる?

出張中、取引先の会社が休みの日などに休日をとることもあるかと思います。そのような場合でも、全日程からみて仕事をしていた割合が9割を超えていれば、全ての日程を経費として計上することはできます。

もし、観光目的をかねて数日のみ業務を行った場合は、きちんと日数や時間を按分して形状しなければなりません。調査が入ったときに突っ込まれやすい項目といえるので、その点は注意しておきましょう。

海外出張保険におけるフリーランスと会社員の違いとは?

海外出張保険の相場はいくら?

会社員の海外旅行傷害保険においては、一般社員の平均傷害保険額は800万円ほどとなっています。ただ、企業によって平均額より数百万円ほど少ない保険額になっていることもあり、あくまでも平均と考えてください。

個人事業主の方は自身で保険加入することになりますが、ここで知っておきたいのが万が一の事態に予測される治療費用額についてです。

治療費用額の一例

・疾病治療費(盲腸など)…約300万円
・障害治療費用(骨折など)…約50万円
・救援者費用(家族が現地まで駆けつける)…約200万円
・携行品損害(盗難など)…約20万円 ※盗難品によって異なる場合も

あくまでの一例とはなりますが、ほとんどの保険会社では、この額を上回る保険額を補償しています。例えば治療費用と救援費用を合わせても、限度額としては1000万~1500万円のところが多く、無制限のものもあります。

しかし、実際には数日の滞在でもしケガをしてしまったとしても、1000万円を超えるような治療費が請求されることは稀でしょう。そのため、保険額をあまりにも高額なものにすると、コストだけがかかりすぎてしまうことになるのです。

治療費補償は500万円程度でOK

渡航先や日程にもよりますが、500万円までの補償で十分といえるでしょう。近年、クレジットカードに海外旅行保険が付与されているものもありますので、過剰な経費を抑えたい個人事業主の方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。