例え税務調査が入っても、不正はしていないから大丈夫!そう思っていませんか?税務調査は脱税などの不正行為を見つけるためだけではなく、帳簿や領収書に不備がないかなど、さまざまな面を調査するためにあります。そのため、やましいことはなくても、税務調査における注意点をきちんとおさえておくことが大切だといえるのです。
そこで今回は、税務調査の注意点を3つご紹介していきたいと思います。もしもの時に慌てることのないよう、しっかりチェックしていきましょう。
1.調査官の質問に答えるときの注意点
1つ目は、調査官の質問に答える際の注意点についてお話していきます。
質問に隠された意図を知る
調査官は、何気ない質問をいくつか投げかけてきます。ここで注意しておきたいのは、その裏に隠された意図です。
・仕事内容は?
→申告している所得以外に収入を得ていないか
・仕事を始めたのはいつ?
→仕事をしていない時期に収入があったかどうか、その収入源を探っている
・自宅(事務所)の家賃はいくら?
→申告している按分に不正はないか、経費を生活費にしていないか
・取引先の詳細について
→売り上げなどの計上に漏れはないか
・家族は何人?
→専従者給与に不正がないか
・従業員の人数は?
→架空経費が存在しないか
いかがでしょうか。質問の意図を感じながら答えることができていれば、むやみに突っ込まれることもなくなると思います。これらの質問に対する適格な回答を予め用意しておくと安心ですね。
2.領収書に関する注意点
2つ目は、領収書の注意点についてです。
何を何のために購入したか分かるような品名を記入する
「品物代として」と記載された領収書では、調査官に詳細を問いただされる場合があります。帳簿には詳細を記入していても、この領収書が、いつ、何を購入したときのものか、一目で分かるようにしておくことが大切です。
また、購入したお店があなたの営む事業とまったく関連性がない場合、さらに注意が必要となります。その場合も、なぜこのお店で購入したかをきちんと説明できるようにしておきましょう。
件数が不自然ではないか
個人事業主にとって、経費をきちんと計上することは大切なことです。しかし、経費として計上している領収書の件数があまりにも多いと、指摘される恐れがあります。
件数が多く、宛名が未記入の領収書などがあると、突っ込まれる要素を作り出してしまうことになるので注意して下さいね。
なお、領収書の保管は義務づけられています。紛失のないよう気をつけておきましょう。
3.「職種別」調査における注意点
最後に、職種別の注意点についてご紹介していきます。職種によってチェックされる項目は異なるため、以下の内容をよく確認しておくことをおすすめします。
1.飲食業
・売り上げの金額が正しく計上されているか
・人件費の支給額が適正かどうか
・給与明細やタイムカードの保管状況
・棚卸伝票はきちんと保管されているか
2.製造業
・期末在庫の計上が正確かどうか
・製造原価の仕掛け品計上漏れがないか
・製造の工程で出る副産物などの計上が明確かどうか
3.建設業
・印紙などの資産計上に漏れがないか
・未完成or完成工事の区分が明確かどうか
いかがでしたでしょうか。税務調査は任意であるため、納税者の了解のもと行われるものとなっています。店内や事務所内などを調査官の独断で調査されることはありません。ただ、不正や不備がないかを証明するためには、調査官に資料を掲示することが必要になります。その際は、今回ご紹介した注意点をふまえながら、事前準備の徹底に取り組むようにしてください。