追徴課税について、耳にしたことはあるけれど、具体的にどんなものかは分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、確定申告の追徴課税について詳しくご紹介していきたいと思います。しっかり理解していないと、思わぬ痛手にあう場合があるので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
追徴課税ってどんなもの?
追徴課税というのは、その名称の通り、追加で徴収される税金ということになります。例えば、申告内容にミスがあり、申告漏れをしてしまっていた場合なども、追徴課税の対象となってしまうのです。
そして覚えておきたいのが、追徴課税には、4つの加算税があることでしょう。
1.無申告加算税
無申告加算税は、副業や個人事業にて所得を得ているのに、確定申告期間内にて申告をしなかった場合に支払う義務がある税金のことをいいます。
ただ、確定申告期限終了日より2週間以内に申告すれば、無申告加算税を支払わなくて良い場合もあります。
2.過少申告加算税
過少申告加算税は、確定申告期限の間に申告は済ませたものの、間違いがあり、修正や更正申告をした際に課税されるものです。
3.重加算税
重加算税については、隠蔽の事実が確認できるような場合に課税されるものです。無申告加算税において隠蔽があったのか、過少申告加算税にて隠蔽があったのかによって、課される税額が異なります。
4.不納付加算税
不納付加算税は、期限以内に納めることが出来ていない場合に課税されます。遅れた日数などには関係なく、納付すべき金額によって加算される金額は異なります。
発覚した場合通知はある?
万が一無申告が発覚した場合や、過少申告が発覚した場合、突然追徴課税の通知が送られてくるのか、不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。なるべく追徴課税を支払うことは避けたいことですが、もしもに備えて確認しておきましょう。
通知の流れ
いきなり追徴課税の通知が来ることはなく、税務署より文書が送られてきます。そのため、まずは税務署からの呼び出しに応じることが大切なのです。
税務署からの呼び出しに応じ、その後は収入を証明するものの提出、確定申告を行うという流れになります。注意しておきたいのが、万が一税務署からの呼び出しを無視した場合は加算税の額も増え、課税も強制となってしまいます。
毎年きちんと確定申告を行い、ミスや申告漏れのないよう気をつけることが大切ですが、不安な時は税務署の方へ相談するなど、あらかじめ対策をとっておきましょう。
2つの例から見る脱税の恐ろしさ
それでは最後に、税務調査が入り、過少申告とみなされた場合の例を用いてみていきましょう。
例)過少申告加算税
・専従者に支払っていた給与額が多すぎるのではないかと税務署に指摘されてしまい、認められなかった。
「本税…年50万円」
過少申告加算税は50万円未満なら10%のため=5万円
延滞税は1年の利息が4.3%(365×365)のため、50万円×4.3%=2.15万円
合計57.15万円の追徴課税を負担することになってしまうのです。
1年分のみで計算していますが、これが3年間過少申告をしているとみなされてしまった場合は、50万円×3=150万円で済むはずだったものが、約171万円支払うことになってしまうのです。
また、これが隠蔽とみなされてしまうほど悪質だった場合には、重加算税が課せられるため、50万円×35%=17.5万円とかなり高額になります。悪質度が高い場合には、5年前の分まで指摘される可能性もあるため、悪質と捉えられてしまうようなミスはしないよう、気をつけていきましょう。