確定申告は、万が一ミスがあっても修正申告などで正しい内容を申告し直すことができるようになっています。しかし、そのミスの内容によっては、税額の数%の金額を納めなくてはならないなど、ペナルティを課せられてしまうのです。
そこで今回は、確定申告を行う必要がある全ての方に、気をつけていただきたいミスポイントについてご紹介していきたいと思います。過少申告加算税や延滞税など、ペナルティの種類についても解説していきますので、参考にしてみて下さいね。
確定申告でしがちなミスとは
それではまず、確定申告でしがちなミスについてお話していきましょう。ここをしっかりおさえておくことが大切ですね。
1.数字の食い違い
確定申告を行ったことがある方ならご存知かと思いますが、確定申告書類には、同じ数字を記入する箇所がいくつか存在します。しかし、実際に確認してみると、同じ額を記入すれば良いところを、異なる額を記入していたり、数字の食い違いが見られることが多いのです。
こういった単純なミスが最も多く、まずは数字の食い違いがないかを確認することを忘れずに行いましょう。
2.経費のバランス
次に、個人事業を始めたばかりの方が勘違いしがちな、経費についてです。もちろん、必要経費を計上することは間違いではありませんが、バランスを考えることが大切だということなのです。
仮に、個人事業主Sさんの年間総所得が700万円だったとしましょう。さまざまな経費がある中で、Sさんの接待交際費の額が350万円だった場合、どうでしょうか。
「年間所得の半分が接待費?怪しい…」なんて思われても仕方がないといえます。いくら実際に接待交際費に350万円かかっていたのだとしても、きちんとバランスを考えて申告する方が賢明ですよね。
ペナルティにはどんな種類があるの?
では実際に、私たちに課されるペナルティにはどのくらいの種類があるのかについて、見ていきましょう。
・過少申告加算税…申告した税額が、本来納める税額より少額だった場合のペナルティです。
・無申告加算税…無申告=確定申告をしなかったということになります。確定申告をする必要があるのにしていなかった場合には、無申告加算税というペナルティが課されるのです。
・重加算税…これは、事実を隠ぺいして確定申告していた場合のペナルティになります。
・延滞税…延滞税は納税が遅れた場合に課されるペナルティです。
特に、故意に納税額の隠ぺいをした場合の重加算税では、本来納めるべき額にプラスして、その税額の35%程度の税金をさらに納めなくてはならなくなります。少額だからといって、あまくみてはいけません。税務調査で徹底的に調べ上げられ、後悔してもしきれない額を納めることになった事例もあるのです。
税制改正による影響について
さて、ここまでペナルティの種類や内容についてお話してきましたが、過少申告加算税と無申告加算税については、平成28年度の税制改正により、変わった点があります。
平成29年より適用
これまで、税務調査が入る前に事業主への事前通知が行われてきました。しかし、この事前通知によって、急きょ修正申告を行うなど、対策をとる事業主が多く、過少申告加算税と無申告加算税の割合が引き上げられることになりました。
・過少申告加算税については、5%
・無申告加算税については、10%(税額によっては15%)
となっていますので、注意しておきましょう。税務調査なんて自分とは無縁だと思われている方も、必ず税務調査の対象にはならないとは言い切れません。本当に経費として計上できるものなのか、数字のバランスをみて計上するなど、工夫して確定申告するように心がけて下さいね。