まるわかり計算法!支払うべき固定資産税はいくら?

持ち家や事務所、そして土地を持っていると毎年支払わなくて行けないのが固定資産税です。

市町村から税額が印字された納付通知書が届くため、来年どのぐらい固定資産税がかかるのか?がいまいち自分では分からないものです。

そこで固定資産税の基礎知識と計算方法についてご紹介します。

固定資産税の基礎知識

まずは固定資産税の基礎知識についてご説明します。

固定資産税とは

固定資産税は資産として家や建物、マンション、土地などを保有している人が支払うべき税金です。つまり賃貸で住んでいる住宅や事務所などに対しては、支払い義務はありません。

「固定資産税を支払う人=自らが資産として土地、建物などを保有する人」ということです。

ちなみに毎年1月1日が賦課期日、つまり税金が課される期日であり、その時点で土地などの保有者が対象です。

固定資産税は地方税にあたり、保有する土地などがある市町村に対して支払います。

また自ら申告する確定申告とは異なり、賦課課税制度が取られます。つまり支払うべき税額を課税する市町村が計算した上で、納付通知書が5月初旬頃に手元に届けられます。納期は4期に分かれており、市町村ごとに異なります。

固定資産税評価額とは

支払うべき固定資産税の額は人それぞれ異なるため、固定資産税評価額というものが存在します。

これは賦課期日である1月1日時点の土地の公的価格や家屋などの時価が基準となります。これは国土交通省が定めた金額を元に市町村が決めており、3年に1度見直しが行われます。

土地であれば上記の地価の6〜7割、建物の場合は建築費の5〜7割程度が税金対象となる固定資産税評価額です。

土地の場合は「資産評価システム研究センター全国地価マップ」というサイトで簡単に確認できます。ただし建物の場合は保有する建物がある市町村の窓口で「固定資産税評価証明書」を出してもらうようになります。

標準税率とは

固定資産税評価額に対してかかってくる固定資産税は基本的に決められた標準税率です。1.4%が税率です。ただし地方自治体が財政難などの場合は、引き上げることが可能とされています。

以下が基本的な固定資産税の計算方法です。

固定資産税評価額(課税標準額)× 1.4% = 固定資産税

まるわかり計算法!支払うべき固定資産税はいくら?

土地の固定資産税の計算方法

同じ固定資産税でも土地と家屋では扱いが異なります。土地は基本的に半永久に存在し、地価の変動以外に価値は上下しません。まずは土地にかかる固定資産税の計算方法をご説明します。

小規模住宅用地の場合

住宅用の土地で200m2以下のものを小規模住宅用地と言います。この土地に関しては固定資産税額が6分の1に軽減されるという軽減措置があります。計算式は以下となります。

固定資産税評価額(課税標準額)× 1/6 × 1.4% = 固定資産税

一般用住宅地の場合

一般用住宅地は住宅用の土地で200m2以上の部分であり、この部分は3分の1の軽減措置があります。

固定資産税評価額(課税標準額)× 1/3 × 1.4% = 固定資産税

(例)住宅用土地(評価額3,000万円)を300 m2保有している場合の課税標準
3,000万円×200平方メートル/300平方メートル×1/6=333万円 (小規模住宅用地扱い)
3,000万円×100平方メートル/300平方メートル×1/3=333万円 (一般用住宅地扱い)
合計 666万円

固定資産税の軽減措置は、その土地に住宅が建っている場合にのみ適用されます。土地のみや、住宅でない建物が立っている場合は適用されません。

家屋の固定資産税の計算方法

次に家屋の固定資産税の計算方法をご紹介します。家屋は年数がたてば老朽化が進み、価値は下がっていきます。つまりだんだんと固定資産税は安くなります。

一般的な家屋の場合

保有する家屋がある市町村に登録された固定資産課税台帳の評価額を元に計算されます。

(例)家屋の評価額800万円の場合
800万円×1.4% =112,000円

新築の場合

家屋でも新築の場合は、2つの軽減措置があります。条件を確認しておきましょう。

1つ目は新築後、5年間固定資産税が1/2になるケースです。
・3階建て以上の耐火構造、準耐火構造の建物
・建物の課税床面積が120m2以下

2つ目は新築後、3年間固定資産税が1/2になるケースです。
・上記以外の一般住宅
・建物の課税床面積が120m2以下

(例)家屋の評価額800万円の場合
800万円×1.4%×1/2 =56,000円

ちなみに土地と家屋を有する場合は、双方に固定資産税が発生します。

都市計画税がかかる場合も

固定資産税と別にかかる税金として都市計画税があります。これも土地や建物に対してかかる税金であり、都市計画に定められた地域「市街化区域」に限定してかかります。

固定資産税が標準税率1.4%と一律であるのに対し、都市計画税は徴収する市町村によって変わってきます。概算0.3%程度のところが多くなっています。賦課期日は固定資産税と同じ毎年1月1日であり、固定資産税と一緒に徴収されます。

都市計画税は住宅用地に限って固定資産税同様に軽減措置があります。

住宅用の土地で200m2以下の部分→3分の1
住宅用の土地で200m2以上の部分→3分の2

(例)住宅用土地(評価額3,000万円)を300 m2保有している場合の課税標準
3,000万円×200平方メートル/300平方メートル×1/3=666万円 (小規模住宅用地扱い)
3,000万円×100平方メートル/300平方メートル×2/3=666万円 (一般用住宅地扱い)
合計 1,332万円

家屋に関しては、軽減措置はありません。

固定資産税がいくらかかるのかを知るためには、まずは土地や建物の評価額を知ることです。その上で、上記の条件に照らし合わせて試算してみて下さい。