棚卸資産の「評価・基準・種類・方法」について徹底的に学ぼう!

 

今回は、「棚卸資産」って何?という方のために、基本を徹底的に解説していきたいと思います。簡潔にまとめながらお話していくので、棚卸資産について詳しく知りたい!という方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。

まずは、棚卸資産とは何を表すものなのか、その種類についてもご紹介していきます。

棚卸資産には6つの種類がある

棚卸資産とは、簡単にいうと事業に関係のある商品などのことを指します。業種によっては、土地なども棚卸資産に含まれますが、商品や製品であるということを覚えておきましょう。

ただ、商品や製品だけが棚卸資産に該当するわけではなく、他にも種類があるということを知っておいてください。

商品と製品

まずは、これらの2つについて解説していきます。種類の違いは、どういった状態の在庫なのかによって分けられています。

・商品=取引先などから仕入れたもの
・製品=自社生産のもの

半製品と仕掛け品

・半製品=完成品ではないが、その状態で販売可能なもの
・仕掛け品=完成品ではなく、その状態で販売不可なもの

半製品と仕掛け品の大きな違いは、その状態で販売できるかどうかという視点で違います。どちらも完成品ではないということは同じですね。

貯蔵品

貯蔵品=事務用品・消耗品の在庫

棚卸資産といっても、これだけの種類があり、それら一つ一つに在庫の状態が異なっているのです。棚卸資産を学ぶには、まずは種類についておさえておくことが大切ですね。

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評価基準と評価方法

それでは、評価基準と評価方法についてもお話していきたいと思います。棚卸資産の評価基準は2つあります。

評価基準は低価法と原価法

低価法は、資産購入の際にかかった取得原価と、今現在の商品の価値、つまり時価を比較したうえで低い価額にて評価するものになります。

実は、2008年までは、日本のほとんどの企業が低価法を採用していたとされています。しかし現在では、上場企業は強制で低価法となっています。

次に、原価法は、資産購入の際にかかった取得原価で評価するものです。ただ、原価法は主に不動産の価格を割り出す方法となっているため、低価法と比較するために棚卸資産の評価基準においてはあえて原価法という言葉が用いられているようです。

評価方法について

評価方法については、

・FIFO法
・LIFO法
・平均法
・売価還元法

などがあります。どの評価方法を選択するかによって、実は利益に差が生じることになるのです。

知ることで生まれる利益

評価方法別に、簡単に利益の大小を見ていきましょう。ここでポイントとなるのが、物価が上昇しているかどうかです。

物価上昇時

物価上昇時に一番利益を生み出す評価方法は、FIFO法となります。FIFO法は、先入先出法といい、仕入れ時期や生産時期が古いものから販売されるというもので、当時の原価が安価であれば利益が増えるということになるのです。

物価下落時

そして反対に、物価下落時にはFIFO法は最も利益が低くなります。反対に利益を一番生み出すのはLIFO法になるのです。こうなってくると、どちらを選ぶのが良いの?と頭を抱えたくなりますよね。実は、ここで注目したいのが平均法なのです。

平均法なら物価は関係ない

平均法は、利益が物価の上昇、下落に左右されません。このため、上場企業では平均法を選択していることが多くなっています。利益だけを重視するのではなく、知ることによって生まれる利益、生まれない利益があるということは覚えておくと良いかもしれませんね。

いかがでしたでしょうか。今回は、棚卸資産についてご紹介いたしましたが、基本の基本から学ぶことが利益を生み出すことにつながるため、ぜひ参考にしてみて下さいね。