個人事業主の方は、毎年の確定申告にて所得額が決定されています。その年の収入や控除金額によって所得税が変化するため、所得税の算出方法を知っておくことはマストです。
そこで今回は、所得税の計算方法をテーマにお話していくともに、節税のために知っておきたい所得控除についてご紹介していきたいと思います。
所得税の仕組み
所得税は、あなたの所得に対して課されることとなる税になります。会社員の方の場合は、毎月のお給料からあらかじめ差し引かれているのですが、個人事業主の方は確定申告にて1年分の所得税を確定します。
あらかじめ差し引かれていた会社員の方は、納め過ぎた税金が還付されることもあります。「税金がかえってきた」「お金が戻ってきた」といった声をよく耳にしますよね。個人事業主の方は、確定申告書に記入しながらご自分で所得税額を割り出していくので、所得税についてはもっと身近に感じていることでしょう。
では、所得税額はどのように割り出されているのか、その計算方法を解説していきます。
所得税の計算方法
計算式の仕組み
(A所得)=総収入額から必要となる経費を差し引いたもの
(B課税所得額)=(A)から所得控除の合計額を差し引いたもの
(C所得税の額)=(B)×所得税率
となるため、納める所得税の割り出し方は、
納税額=(C)-税額控除
という計算式にて導き出すことが出来るのです。
総収入額は実際の収入金額(売掛金未収入金額も該当します)を合計したものとなります。あなたの1年分の所得=総収入額とはなりません。収入が多いからといって、控除額が多ければ所得税は少額となるでしょう。
所得控除の金額の他にも、所得税率は人それぞれ異なるものとなります。たとえ総収入額が1円単位まで同じであったとしても、納税額が同じとは限らないのです。
所得税率一覧表を確認しよう
所得税率については、課税所得額によって決められているものとなっています。総所得額から控除を差し引いた額、つまり課税所得額を確認しながら下記の表を確認してみて下さい。
(M=課税所得金額、N=税率とします)
・M195万円以下=N5%
・M195~330万円以下=N10%
・M330~695万円以下=N20%
・M695~900万円以下=N23%
課税所得の金額が高くなれば、それと同様に税率も高くなっていることが分かりますね。
所得控除に漏れはありませんか?
所得税の計算方法を見るとお分かりいただけたかと思いますが、所得税の額というのは、控除額によってかなりの差が生じるものです。所得控除に漏れがないか、今一度確認してみましょう。
雑損所得の漏れに注意
事務所や自宅が害虫などの被害に遭ってしまった場合は、あなたの資産に被害が生じたこととなるため、雑損所得として控除を受けることが出来ます。
下記のどちらかの計算式から、多い方を選択します。
・被害金額から5万円を差し引いた額or被害金額-所得額×10%
地震保険料控除は上限5万円まで
東日本大震災に熊本地震と、地震大国とよばれる日本では地震保険をかける方も少なくありません。実はこの保険料も上限5万円までとはなっていますが、控除対象になるのです。
所得控除に漏れがあると、本来支払うべき税額よりも多く納税することになってしまいます。基本となる基礎控除や、配偶者の方がいる場合の配偶者控除などは漏れることはないかと思いますが、念のため確認しておくとよいですね。
いかがでしたでしょうか。税額控除を頭に入れておくだけでも、節税対策の第一歩となります。当てはまるものがないかどうか、これを機に控除対象となるものを見直してみるとよいかもしれませんね。