農業を始める方のための確定申告講座!副業は節税効果もあり?

「実家が農業を営んでいて、今年から兼業という形で手伝うことになったのだけど、確定申告はどうしたら良いのでしょう?」そんな質問は、意外とネット上でよく見かけられますよね。

いくら実家で営んでいたとしても、いざ自分が兼業で継ぐとなると、本当にできるのか、不安になってしまう方がほとんどだと思います。そこで今回は、兼業農家の確定申告をテーマにお話していきましょう。

兼業農家は節税できるって本当?

兼業農家は意外と節税になるということを耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。これには、農業にかかる経費や維持費などが関係しているのです。

農業の経費などは、農薬や肥料の他にも、減価償却など、意外と額が大きくなるものです。これに青色申告控除をプラスすれば、農業の利益がゼロであったとしても、給与分の税金を還付できるため、節税効果があるといえますね。

ただ、一つ覚えておいていただきたいのが、「じゃあ副業で農業しようかな~」なんて安易に考えることは危険だということです。農業=簡単に稼げるというわけではありません。初期投資はもちろん、知識不足では失敗する可能性が高いということだけは知っておいてくださいね。

農業を始める方のための確定申告講座!副業は節税効果もあり?

 

兼業農家の確定申告

それではさっそく、農業の確定申告についてお話していきましょう。

確定申告が必要な場合とそうでない場合

貴方の総所得が、会社からのお給料(年末調整済み)と農業による所得が20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。所得税の確定申告は、あくまで給与所得とは別に20万円の所得がある場合に必要となる、ということは覚えてくと良いでしょう。

注意点

ただし、ここで一つ注意していただきたいのが、農業による所得が赤字である場合、還付申告を行うことで税金の還付を受けることができるということです。

農業は経費や維持費などがかさむため、赤字はつきものといっても過言ではありません。還付されるべき税金を払い続けるなんてことのないよう、この点は注意しておいてくださいね。

確定申告の際に気をつけたいポイント

農業の確定申告においては、収穫した日付・作物の種類・数量・売上などを帳簿に記入しておかなければなりません。

この記帳の際に気をつけておきたいポイントが

・収入がどの販売方法によって得られたのかを明確にしておく

ということです。スーパーなどへ直接卸したのであれば「○○スーパー出荷」といったように、勘定科目を販売方法別に作成しておきましょう。

後は、青色・白色のどちらで申告するかを決め、農業所得という欄に記入していくことになります。確定申告は義務ではありながらも、面倒くさいと思ってしまいがちです。

税理士に丸投げできると一番楽なのですが、最初は経費を抑えたいところですので、事業が安定するまでは会計ソフトを使用して、自分で取り組んでいくのが良いでしょう。会計ソフトであればクレジットカードや銀行口座を連動をして仕訳を作ってくれるので専門知識がなくてもスムーズに申告することができます。

作ったものを自宅で食べた場合

それでは最後に、作った野菜などを自宅で食べた場合にはどうなるのか、という点に関して説明しておきたいと思います。

実は、この場合は「家事消費」という名目にて計上する必要があります。もちろん、自給自足のためだけの畑で栽培した作物は、家事消費として計上しなくても良いです。ただ、この場合は経費も計上できないということは覚えておきましょう。

農業の確定申告については、それ専用の決算書があるため、意外と作成しやすかったという声もあります。農業専用の確定申告ソフトなどもありますが、専用ではないソフトでも決算書の作成はできるため、会計ソフト選びから始めてみるのも良いかもしれませんね。

また、自治体によっては、専用の収支計算ノートを作成し、ホームページでダウンロードできるようになっているところもありますので、一度確認してみるのもおすすめですよ。