起業前にチェック!経営者の報酬設定で注意すべき2つのポイント

起業を目指す全ての方に、必ずチェックしておいてほしいのが「経営者の報酬設定」についてです。起業し、経営者になると、経営者としての自分の報酬はいくらにするのかということが大きな問題になってきます。このときに、経営者の報酬の仕組みを理解しているorしていないかで、納税額は大幅に変化してくるのです。

そこで今回は、経営者の報酬設定をテーマに、注意すべきポイントなどをご紹介していきたいと思います。

経営者の報酬額で変わる税金とは

ではまず、経営者の報酬額をいくらに設定するかによって変化する税金にスポットを当ててみましょう。

1.法人税

法人税は、株式や組合などの法人会社の年間所得にかかってくる税金になります。この法人税額は、経営者の報酬額によって変化してくるのです。

2.個人の所得税

法人税の他にも、経営者自身が支払う税金にも変化が生じます。これは、経営者報酬額により、あなたの年間所得額が変わるためです。利益や設定額にもよりますが、300万もの差が生じる場合もあるので、経営への影響は大きいといえるでしょう。

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報酬設定時に注意すべき2つのポイント

報酬額を設定する前に確認しておきたいのが、2つの注意点についてです。

1.報酬額は1年間変えられない

設定した報酬額については、基本1年間変更不可となっています。起業する=計画的な会社運営を目指し、資金繰りを考えなくてはなりませんよね。そこで、1年間どのくらいの売り上げで経費はいくらかかるのか、試算したうえで設定する必要があるのです。

試算することにより、年間報酬額はいくら確保可能なのか割り出すことが出来、12か月で均等にすれば、一ヶ月の報酬額が分かりますよね。また、売り上げは予想より少し低めに設定しておくと安心でしょう。

2.バランスが大切

・法人税の負担を減らしたい=個人の所得税が増える
・個人の所得税負担を減らす…一定額を超えると法人税の方が税率は低くなる

このように、税負担を減らすことだけを考えても、住民税や社会保険料の額に変化が生じるため、以前のように報酬額を上げればお得!とはいえない状況になっています。

法人税・所得税・住民税と社会保険料、この3つのバランスを保ちながら報酬額を設定することが一番得策だといえるでしょう。

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制度を利用して損金算入を

経営者の報酬額を設定する時、報酬を損金算入、つまり経費として認められるかどうかが大切になります。そこで利用したいのが下記の2つの制度です。

・定額同額給与

これは、毎月一定の額を同じ時期に報酬として支払うというものです。ただ、毎月必ず同じ額でないといけないため、来月は減らそうかな~なんてことは不可能です。

しかし、万が一経営に関わるほど業績悪化が深刻となれば、減額が認められる場合もあります。その場合、減額決定の議事録などを作成しておく必要があるので注意しておきましょう。

・事前確定届け出給与

この制度は、あらかじめ税務署へ支払額と支払日を届け出ておくものになります。その届け出通りに支払いが行われていれば、報酬額は経費として認められます。

ただ、届け出た際に明記した日付と金額を守ることが条件となっています。いかなる場合においても、守ることができなければ算入できないことになるので、必ず日付と金額は守るようにして下さいね。

いかがでしたでしょうか。経営者の報酬額を設定するためには、理解しておくべきことがたくさんあることが分かりましたね。起業を目指している方も、新米の事業主の方も、年間の損益計画をきっちり立てることから始めてみるとよいでしょう。