住宅ローンをどちらのタイプにするのかという選択は、誰しもが一度は直面する問題でしょう。しかし、何年も先の金利を正確に予想することは不可能に近く、だからこそこの選択に悩む方が多いといえます。
そこで今回は、住宅ローンをテーマに「変動金利or固定金利の選び方の決め手」についてお話していきましょう。
なぜハウスメーカーは変動金利を勧めるのか
マイホーム購入の際、ハウスメーカーなどから住宅ローンの月々返済額シミュレーションを見せられ、それにより変動金利を選んだという方も多いと思います。しかし、勧められたから、月々の返済額が少ないから、と安易に決めてしまうことは得策ではありません。
変動金利を勧められる理由
なぜハウスメーカーは変動金利を勧めてくることが多いのか、その理由は「月の返済額が少なく見えるから」です。それだけ?と思われるかもしれませんが、実際月に8万円を超える出費か7万円でおさまる出費か、数字だけを見ると少ない方を選んでしまいがちですよね。
ハウスメーカーも商売ですから、買ってもらうための戦略の一つとして返済額が少なく見える変動金利を推してくるのです。しかし変動金利の場合は、必ずしもその返済額が払い終わるまで続く保証はありません。景気に左右され、金利が上昇することも大いにあり得るでしょう。
どちらが必ず得!とは言えないのがホントのところ
じゃあ変動か固定、どっちを選べば良いの?なんて声がたくさん聞こえてきそうですが、選ぶ基準は得か損かですよね。実は、どちらが得か損かを基準に決めようとしても、答えは出てきません。
シミュレーションできるサイトは多数ありますが、あくまでも予想であって、確実な返済額が導き出せることはないのです。
変動金利と固定金利はどう決まるのか
では、ここで金利の決まり方の違いにも注目してみましょう。
変動金利
不景気→政策金利も下がるため低金利に
好景気→政策金利が高くなるため高金利に
固定金利
国債金利が低い→低金利
国債金利が高い→高金利
ざっくりとではありますが、金利の決まり方にも違いがあります。変動金利を左右している政策金利については、2008年から変化はないというのが現状です。本来であれば景気の回復とともに上昇させるべき政策金利が、ずっと低いまま=ゼロ金利政策が続いているというのが現在の日本の状態なのです。
固定か変動か、選ぶ決め手はコレ!
仕組みを知っても分かるように、どちらが得かは、返済し終わるまで分かることはないでしょう。では何を決め手に選べば良いのでしょうか。
1.金利の変動に悩まされたいか悩まされたくないか
変動金利を選べば、低金利が続く限り返済額が増えることはないかもしれません。しかし、逆に金利が上昇すれば返済額も変動してきます。30年もの間金利を気にしながら返済していくのはちょっと…と思うのなら、固定金利を選んだ方が良いとえいます。
2.返済額の差額をきちんと運用できるかどうか
2つの金利タイプの差額は、現在1万円程度となっています。変動金利を選ぶ場合も、差額である1万円を金利が上昇した時用に貯金しておくなどの対策がとれるのであれば、万が一のリスクにそなえることができでしょう。
現在の返済額でもやりくりがギリギリの状態であれば、もしものリスクにそなえることができない可能性があります。リスクはゼロではないということも決める際のポイントにしておくべきだと思います。
毎月必要となる費用の中でも、必ず節約できるものはあるはずです。変動金利タイプの返済額でないと払うのが厳しいと思い込む前に、一度きちんと家計簿をつけ、見直しをしてみるのも大切ですよ。この2つのポイントをもとに、どちらを選ぶのか考えてみて下さいね。