信用度が低い個人事業主の資金繰りを制する!2つの資金繰り法

雇われのサラリーマンではなく、個人事業主になって成功したい!という方は多いものですが、いろいろと苦労があるのも事実です。その1つが資金繰りでしょう。

通常の会社員よりも厳しく、また法人としての借り入れとは比べ物にならない厳しさに直面している方も多い事でしょう。そんな個人事業主でも安心して資金繰りができる2つの方法をお教えします。

個人事業主の資金繰りの現実

中小企業金融円滑化法という個人事業主にも手厚かった制度が平成25年3月末で期限を迎えました。また消費税増税によるあおりなど、資金繰りに苦労している方も多いものです。

資金繰りがうまくいかないと事業自体の存続が難しくなることになりますが、そこに苦労しているのが事業主の現実といえます。

無担保で借り入れできる個人向けカードローンを活用しようとしても、自営業者はNGという金融機関もあります。また、融資の申込の受付をしてもらえたとしても、審査が厳しく融資不可の連絡を受けたり、必要な額に満たない融資しか受けられないというのが現実です。

このことからも分かるように、個人事業主がカードローンよりも高額である「事業者ローン」を利用することはたやすいことではないのです。

個人事業主における信用度合い

個人事業主がお金を借りにくい現実の裏にあるのは「信用性」です。最近では、個人事業者として生計を立て、また成功を収めている方も決して少なくありません。ただし、世の中のイメージとして信用性が乏しい、いつ業績が傾くか分からないといったリスク面ばかりがクローズアップされているのです。

ちなみに個人事業主といっても、職種は一様ではありません。個人事業で小さな商店を構えている、農林水産業に従事しているという昔ながらのイメージから打って変わり、様々な職種で自営を行っている方が増えています。コンサルタント、プログラマー、アフィリエイター、イラストレーターなど、職業にできるものは多岐にわたっています。

誰もが個人事業主として開業することが出来ることが、信用性の低下と関係しているという側面もあるのかもしれません。

実際にテレビで活躍している大物歌手でさえ、住宅ローンの審査に落ちるという現実もあります。それだけに信用をどこで得ていくのかというところが非常に重要なポイントとなります。

個人事業主は限度額が低い

暗い話ばかりになりますが、現実を見据えた上で対策を練ることが大切ですので知っておいていただきたいのが、借り入れできる限度額です。

法人として借入をする場合と、個人事業主として借入をするのでは、当然限度額が変わってきます。バックに大きな組織があり資金や株式もある法人と個人事業主では、後者の限度額は低くならざるを得ません。

しかし悲観することはありません。背負うものが少ない分、様々な可能性があります。そこで個人事業主の方が資金繰りをスムーズにさせる方法をこの後お伝えしていきます。

信用度が低い個人事業主の資金繰りを制する!2つの資金繰り法

個人事業主の資金繰りと銀行

個人事業主の方が新しく事業を展開する、投資をするために必要となる資金。この資金繰りを、銀行を通じで行う場合のメリットや方法、必要な書類についてお話していきます。

最もポピュラーな銀行からの借り入れ

お金をどこかから借りるとなった時に真っ先に思いつくのが銀行でしょう。消費者金融という手段もありますが、そこに発生する金利の高さを考えると賢明だとは言えません。お金を借りるということは、当然まとまったお金が手元にないから融資を依頼します。つまり極端に言うと資金に余裕がない状態だと言えます。その状態で高い金利をプラスして返済するというのは考えにくいものです。

そこで優先順位として考えるべきなのが、銀行もしくは信用金庫から無担保で借りる方法です。個人事業主が無担保でさらに保証人を立てずにお金を借りるということが果たして可能なのだろうかと考える方も多いでしょう。しかし実際、このことは十分可能です。

まずは口座がある銀行などに足を運び、融資の相談をすることをお勧めします。口座が自行にあるということは大きな強みとなりますので、日頃から少しでも口座に資金をプールするなど小さな信頼を重ねておきましょう。

銀行からの借り入れに必要な書類

いざ銀行からお金を借り入れる際に必要となってくる一般的な書類を以下にご紹介します。借入をする銀行によって要否が変わってくるものもあるので、借入時に確認することをお勧めします。

・事業の計画書
・確定申告書控え
・納税の証明書
・仕入書及び納品書
・購入及び支払い書
・経費ごとの見積書

会社自体の存在証明と開業からの流れ、お金の動き、税金を納めている証明、収支の確認、計画的に事業を行っているかという所が論点となります。

銀行・信用金庫で借りることのメリット

では銀行や信用金庫からお金を借りることのメリットを確認しておきましょう。

個人事業主は法人と比べてお金が借りづらいという事は前述したとおりです。それは資本金がいくらあるのか、主要取引先がどこかというお金にまつわる情報が調べにくいことがあげられます。

ただし、取引がある銀行の取扱店舗で申し込むことで審査は確実に通りやすくなります。付き合いがあるお得意様という位置づけであるので、審査日数が短縮されることもあります。

1つ注意点は提出書類の中でも、事業計画書はしっかりと練ったものを提出することです。日頃からの付き合いがあるからとはいっても、ビジネスですから銀行もリスクを考えます。そこで、現実的でかつ緻密な事業計画書を提示することで納得させるプレゼン能力を発揮したいものです。

信用度が低い個人事業主の資金繰りを制する!2つの資金繰り法

個人事業主の資金繰りと日本政策金融公庫

個人事業主が資金繰りをする際に国からお金を借り入れるという方法もあります。日本政策金融公庫からの借り入れと大事なポイントについてご紹介していきます。

日本政策金融公庫からの借り入れ

日本政策金融金庫は財務省管轄の特殊法人です。教育ローンなどでおなじみの国民生活金融公庫と中小企業金融公庫が統合され、2002年に設立されました。

財務省管轄という事で、お金を借りる側からしても安心感が強いのも大きな魅力です。個人事業主を対象とした平均的な融資額は400万円前後となります。

銀行の融資はどちらかというと信頼性と返済能力というところに着目していますが、日本政策金融金庫に関して言うと、事業の将来性と新たな雇用創出という2点になります。そのため、実際に借入をした方の口コミを見ると、借金があるなどのマイナス点があったにもかかわらず審査に通ったという声も見られるほどです。あまりにブラックである場合は話が別ですが、将来の日本を元気にする新規起業や事業に投資をするという意味合いが強いのも魅力でしょう。

また昨今女性の起業家も増えていますが、女性の社会進出や雇用拡大を応援するという意味合いで「女性小口創業」という制度もあります。保証人も不要で300万円まで融資が可能という特例は注目すべきでしょう。

日本政策金融公庫からの借り入れに欠かせないポイント

非常に魅力的な日本政策金融公庫からの借り入れ審査をスムーズに通すために、面談時に重視されるポイントをご紹介します。

1.経験、キャリア、事業展開
これまでの職歴を含めたキャリアをどう武器にして事業を成功させるのかと、自分の言葉で熱意を持って伝えることが大切です。具体的に武器が事業にどう生かしていけるかの整合性をとっておくことも欠かせません。

2.事業の仕組み及び取引の流れ
融資するにあたって稟議にかける際に、審査をする人間が明確にお金の流れや取引状態を理解できるプレゼン資料を作成し、かつ面談時に補足することが有効です。

3.どこに差別化があるのか
同じような事業をしている会社も事業主もごまんといます。そこで勝ち抜いていくことが売上アップに繋がり返済を確実とするのです。そこで、勝ち抜ける根拠を示すことが大切です。

4リスク管理体制
事業は必ずしや計画通りにいくとは限りません。紆余曲折はつきものです。そんな時に、どうリスク管理を考えているのかを提示することも信頼と将来性を勝ち取るコツです。

日本政策金融公庫借り入れに必要な物

では日本政策金融公課の融資を受ける為に必要なものと前提事項についてご紹介します。まずは3つの前提事項です。

1.必要書類は細やかに作成する必要があり、手続きにも煩雑さを伴う
2.審査に時間を要する
3.借入額の3分の1は自己資金から用意できること

次に必要とされる書類です。

・借入申込書
・確定申告書の控え(直近二期分)
・試算表(決算をまだ行っていない起業したての場合、直近の決算から6ヶ月経過した場合)
・身分を証明する書類(自動車運転免許証、パスポートなど)

個人事業主の方が事業をより拡大し、大きくさせていく為に欠かせない資金繰り方法についてご紹介しました。事業計画書など必要な書類作成は煩雑に感じがちですが、これらを考えることで事業の確実性も増します。また収支などは会計ソフトを利用すれば簡単に管理できますので利用していきましょう。