ストックオプションはアメリカで初めて採用された制度で、日本においては1997年から認められ、現在では多くの企業が取り入れているものとなっています。代表的な採用社としては、米スターバックスや、iPhoneで有名な米アップル社などがありますね。
ただ、ストックオプションで課題となるのが確定申告です。初めての確定申告ならなおさら分からないことが多くて混乱してしまうことかと思います。そこで今回は「ストックオプションの確定申告方法」をテーマにお話していきましょう。
確定申告前に注意しておくべきこと
まずこの2点は、確定申告時期を迎える前にきちんと確認・準備しておくことが大切です。
1.税制適格or非適格
ストックオプションには、おもに2つのタイプが存在しています。それが税制適格ストックオプションと税制非適格ストックオプションです。
これは会社へ確認すれば分かることではありますが、確定申告間近になって「どっちだっけ?」なんてことにならないよう、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
2.取引明細の作成
取引の報告書として証券会社より送られてくる場合もありますが、口座の種類によっては取引明細を自身で記録しておかなければなりません。
この明細は、確定申告時に提出が必要となりますので注意しておいて下さいね。
税制適格と非適格の違いって何?
ではここで、先ほどお話した適格or非適格の違いについてもみていきましょう。
税制適格の方が付与対象者にとってはお得?
税制非適格の場合は
ストックオプションの行使→株式取得→給与課税
という流れにより、行使されたときの時価から行使価額を差し引いたものが課税対象となります。つまり、株を購入した時点で税金がかかることになるので、即売却をしないとかかった税金を納められない!なんてことになる恐れもあります。
しかし、税制適格であれば、株式が売却となるまでは課税されないのです。そのため、付与対象者からすればメリットが大きいといえますね。
適格のための要件
ではどんな場合に税制適格となるのかというと、下記の要件に当てはまる場合のみとなります。
・譲渡制限がもうけられていること
・権利行使価額の1年間の合計金額が1200万円を超えない
・付与決議日より2年経過した日~10年をむかえるまでに権利行使すること
・証券業者へ保管を委託していること
・1株の権利行使価額が、付与契約が締結した時の時価を超えること
ストックオプションの確定申告方法
それではさっそく、ストックオプションの確定申告方法について確認していきたいと思います。
1.必要書類を準備しよう
まずは、下記の3つを用意してください。
1.株式を購入したことを証明するもの(ストックオプション原簿コピー)
2.売却を証明する証明書
3.取引明細(株の購入額と売却額が分かるもの)
これらは必ず必要となるため、忘れないようにして下さいね。
2.確定申告書類の作成
確定申告書類の作成についてですが、国税庁のHP内にある作成コーナーを利用するか、会計ソフトを利用することをおすすめします。会計ソフトであればクレジットカードや銀行口座と連動をすることができ、必要書類の作成も簡単にできます。
書類としては、申告書B第一表、第二表、第三表、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書というものを作成しなければなりません。
なお、申告内容に間違いがないか不安な場合は、税務署の担当者へ確認してもらってから提出すると良いでしょう。期日前であれば基本的に税務署も空いていることが多く、じっくりと疑問点を聞き出すことが出来ると思います。確定申告内容に誤りがあるといけないので、初めての方は特に早めの相談、提出を心掛けましょう。
いかがでしたでしょうか。初めての場合は、分からない点がたくさん出てくることでしょう。直前になって準備を始めるとどうしてもミスが出やすいので、日ごろから領収書や明細の記録など、管理につとめておくと良いですね。