トリマーとは、犬の毛をカットするだけではなく、犬が健やかに過ごすために大切なさまざまなケアをしてあげる人のことです。トリマーは、女性に人気の職業の一つとなっていますが、トリマーの資格などについてはご存知ない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、トリマーの資格と開業へのプロセスについてご紹介していきます。トリマーを目標にしている学生の方も、開業を目指しながらお勤めの方も、ぜひ参考にしてみて下さいね。
トリマーになるために必要な資格とは
まず、ペットショップやペット専用の美容院などで働いているトリマーの方は、どういった資格を取得しているのでしょうか。
1.JKC公認トリマー資格
JKC公認トリマー資格は、トリマーとしての資格の中で一番認知度が高く、取得者の技術力にも定評があるものです。そのため、JKCの資格を取得しているかどうかを採用条件の一つとしているお店も少なくありません。
JKCトリマー資格については、C級~師範までの段階があり、公認となっている養成機関を卒業することと、筆記試験・実技試験への合格が必要です。
2.通信講座で取得
トリマーの資格は、JKCのように養成機関へ通いながら取得を目指すこともできますが、通信講座を利用して取得を目指すことも可能なのです。
代表的な通信講座には、
・ヒューマンアカデミー
・日本ケンネルカレッジ
などがあります。どちらもそれぞれに魅力はありますが、働くお店によっては、JKCでのトリマー資格が必要になる場合もあるため、注意して下さいね。
3.資格がなくても働ける?
実は、トリマーとして働くために、資格は必須というわけではありません。これは、トリマー資格が国家試験ではないことが理由になっています。そのため、高校卒業後、ペットサロンに就職し、目で見て学びながら資格取得を目指す方も多くはないのです。
ただし、資格がないということは、お客様から安心して任せてもらえないこともあります。飼い主にとっては大切な家族の一員であるため、プロに任せたいと言われても仕方がないということですね。
開業するまでのプロセス
それではさっそく、夢の開業へ向けてのプロセスについてお話していきましょう。まず初めに選択していただきたいのが、フリートリマーとして開業するのか、店舗を持つのかということです。
1.フリートリマーとサロン開業の違い
この2つの決定的な違いは、「動物取扱業登録」が必要になるかどうかということにあります。
サロン開業だけでなく、ご自宅の一部を店舗として使用する場合にも、この「動物取扱業登録」が必要になります。これは、ペットを預かりトリミングするうえで、必要不可欠な届け出なのです。
しかし、出張トリマーとして店舗を持たず、お客様のご自宅へ出向いてお仕事をするようなフリートリマーには、「動物取扱業登録」は必須ではありません。
2.開業届と確定申告
開業届を提出するかどうかは自由ではありますが、開業届を提出することで、白色申告か青色申告を選ぶことができるようになります。青色申告であれば、特別控除として65万円、もしくは10万円の控除が受けられるようになるため、選択肢として考えられる方が良いといえるでしょう。
トリマーとして開業するということは、毎年の確定申告もきっちり行う必要があるということなので、確定申告についても学ぶ必要がありますね。
3.設備を整え宣伝する
やはり事業として成功させるためには、必要な設備や道具を整え、あなたのトリマーとしての「ウリ」を最大限に宣伝することが大切です。
・トリミングするうえで最も大切にしていることは何か
・犬の肌や毛にどのように良い効果をもたらすシャンプーなのか
何を伝えたいのか、どういうトリマーになっていきたいのかをお客様へきちんと説明できるよう、自分自身を宣伝することを忘れないでくださいね。
一番大切なこと
最後に、トリマーとして一番大切なことは何でしょうか。それは、預かったワンちゃんを大切に扱うこと、お客様の気持ちを第一に考えることです。
飼い主にとって犬は、子供のような存在だといえます。ワンちゃんに満足してもらうことはもちろん、飼い主の方にも喜んでもらうことが一番なのです。ぜひそのことだけは忘れずに開業を目指し、素晴らしいトリマーとして活躍して下さいね。