税務調査を恐れていない事業主の方はいらっしゃらないでしょう。しかし、税務調査は必ずしも恐れるものではないのです。対策として準備をしっかり行っていれば、税務管に指摘されることなく終わる場合もあります。
では一体どのような準備をしておくことが最善なのか、今回は税務調査対策の準備をテーマに、調査の流れや具体的な内容をご紹介していきましょう。
税務調査ってどんなもの?
まずは調査の基本から知っていきましょう。
指導を目的とした調査である
税務調査の対象となる=不正をしている、脱税、逮捕…などという言葉が浮かんでくるかもしれませんが、決してそうとは限りません。あくまでも、帳簿類などのチェックをし、指導するという目的のうえで行われているものなのです。
申告内容の確認
申告内容に不正がないか、ミスがないかを調べるのが調査の目的となっています。もしミスがあったとしても、正しい内容で申告し直すことで済む場合もあります。家中調べられ、必ず反面調査をされるわけではありません。
税務調査対策の準備について
では税務調査対策としては、どんな準備をしておくことが最善なのかについてご紹介していきます。
確認しておくべきポイント
・現在からさかのぼり、5年間の申告書を見直す
・過去資料をチェックしておく
・過去から現在までの取引先との状況を把握
まずはこれらをポイントに、ミスがないか、突っ込まれるようなところはないかチェックしておくことが大切です。税務調査は、突然何の連絡もなく実行されるものではありません。そのため、連絡がきてからでもこれらのポイントをおさえ、チェックしておく時間は十分あるのです。
もちろん、毎年の申告において、ミスのないよう気をつけておくことが大切ではありますが、調査連絡があった時点で調べ上げ、ミスを訂正することは可能です。
用意しておくべき書類
調査官は、以下の書類をもとにミスや不正がないかを調べます。
・通帳
・総勘定元帳
・過去から現在の申告書
・領収書などの売り上げや仕入れに関するもの
・取引先との契約書
・労働者のデータや給与に関する書類
・固定資産書類
・消費税に関する明細
よくあるミスや忘れ物
調査に入られて「しまった…!忘れてた…」なんてことがよくあるのが、印紙の抜けや領収書漏れです。
印紙の抜けについても、調査連絡がきた時点で貼り忘れに気付き、抜けがあったものには貼るという対策をすれば問題はありません。ですが、もし忘れたままにしていると3倍の額の印紙が必要となるため、必ず作成時に貼ることを心掛けましょう。
領収書に関しては、再発行不可なものであれば、手書きでもかまわないので作成しておくようにしましょう。手書きでは認められないと言われても、1枚だけ誤って捨ててしまったなど、悪質でなければ指導だけにとどめておいてくれる場合もあります。
心得ておくべきこと
税務管が調査に入るまでにやれることは全てやっておくのは当然のことですが、心得てくべきことがあります。
個人通帳、金庫、引き出しの中まで確認されることもあります
個人の通帳やデスクの引き出しに怪しまれるものはありませんか?調査に油断は禁物です。何を聞かれてもきちんと説明ができるようにしておくこと、あらゆるところを調べられる可能性があるということは心得ておきましょう。
ただ、いくら調査とはいえ、事務所が自宅兼用となっている場合には見られたくないところもあるでしょう。夫婦の寝室や子供部屋などは、プライベート空間です。度が過ぎる行為に対しては、「そこは仕事に関係のない場所です」とはっきり拒否することも大切ですよ。