私たちが生活する中で、最も身近に感じる税金といえば、「消費税」ですよね。食料品や衣類など、さまざまな物の値段にプラスされる消費税は、消費者にとっては支払うだけのものです。しかし、個人事業主の方は、事業者であるため、対価分の消費税を申告し、納付しなければならないのです。
今回は、個人事業主の税金ルールの中から、テーマを消費税にしぼってお話していきたいと思います。消費税が免税される条件についても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
消費税が免税になる個人事業者の条件
それでは、個人事業主の方が消費税に関することで、まず知っておくべき免税事業者についてお話していきます。
免税事業者ってどんなもの?
免税事業者というのは、消費税の納付義務がない個人事業者のことをいいます。基本的には、個人事業主の場合、事業者として対価分の消費税を納税する必要があります。しかし、その消費税が免除される条件というものがあり、その条件を満たしていれば、消費税は免除されるのです。
条件の内容
免税事業者として消費税を免除されるためには、下記の条件どちらかを満たしている必要があります。
・開業から2年以内
・課税売上高が年間1000万円以内
まず、開業から2年以内という条件については、誰しもが当てはまるわけではありません。2つ目の条件である、課税売上高の金額、1000万円を上半期のうちに超えてしまった場合には、開業年数に関係なく、翌年は課税事業者となってしまいます。
開業後、売上高が急激に上がることは、事業が成功したということなので、とても喜ばしいことではありますが、課税事業者になる可能性がるということだけは覚えておくと良いでしょう。
課税事業者でも免税事業者に戻れる?
では、開業から2年経ち、売上高が1000万円を超える年があったため、課税事業者になった場合は、それ以降ずっと課税事業者になるのかとういと、そうではありません。
基本的には、2年前の売上高が1000万円以上の場合、その年は課税事業主になるという仕組みなので、もちろん免税事業者に戻ることも可能なのです。
届出書の提出が必要
課税事業者が免税事業者に戻る場合には、税務署へ届出書の提出をする必要があります。名称は「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」というものです。これは、国税庁のホームページより印刷することができるので、下記URLをご確認下さい。
国税庁ホームページURL:http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_05.htm
記入することと提出方法
届出書に書く内容は、氏名や事業の代表者名。納税地の住所などとなります。個人番号についても記載する必要があるので、確認しておきましょう。
また、届け出の適用開始課税期間や、課税売上高の金額、納税義務者となった日の日付なども記入する必要があります。
提出方法は、納税地の所轄である税務署へ送付するか、直接税務署へ持ち込むかですね。管轄の税務署が近くにある場合は、時間外収受箱へ投函すれば、時間を気にする心配もありませんよ。
消費税の計算方法について
最後に、個人事業主が納める消費税の計算方法についてご紹介します。2017年の4月からは、消費税が10%となるため、10%の税率で計算してみましょう。
例)仕入れ値が税込み1100円のものを、2200円で販売
消費者から受け取った200円の消費税-仕入れの際に払った100円の消費税=納税する消費税額
このような計算となります。例として1回の取引における消費税額をもとめましたが、これを年間の取引分算出する必要があります。
売上高がアップすることは、事業主にとって嬉しいことですが、1000万円を超えた場合は、課税事業者になるということは忘れないようにして下さいね。