個人事業主にとっては、いかに資金繰りをうまくやるかによって、税負担にかなりの差が生じてきます。そして、いざ個人で事業を始めると、思っていたより経費がかさむことを実感する方も多いのではないでしょうか。
では、一体賢く節税するためにはどうすれば良いのでしょう。ここで深く理解しておきたいのが、経費として計上できるものにはどのようなものがあるのか、また、その種類や違いについてです。
そこで今回は、似てるようで違う、さまざまな経費のルールについてお話していきましょう。
経費の条件は以外と難しい
個人事業主の方が「経費」として計上できるものには、たくさんの種類があります。中でも、交際費や会議費というのは耳にする機会も多いかと思いますが、これらにはきちんと条件が存在しているのです。
「フリーランス・個人事業主・自営業=なんでも経費にできる」このように考えられている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。毎晩の飲み会を交際費として計上し、経費の額が膨れ上がれば、当然税務署から目をつけられます。
そこで、きちんと知っておきたいのがそれぞれの経費に設けられたルールなのです。交際費と会議費は似ていてよく分からない…という方は、ルールについて詳しくご紹介していきますので、ぜひこの機会に覚えていってくださいね。
さまざまな経費のルールとは
まずは、個人事業主の方が一番気になる交際費についてご紹介していきましょう。
1.交際費のルール
・個人事業主の場合上限額はなし
・領収書は必須
・仕事関係の方をもてなす接待であること
・利益を生むためには必要な支出かどうか
交際費のルールについては、個人事業主と法人ではルールにもかなりの差があります。まず一つは、上限額がないということです。法人の場合は、大企業であるか中小企業であるかによってもルールが異なりますが、交際費として損金算入できる額には限度が設けられているのです。
しかし、だからといって、いくらでも交際費として経費計上することは得策ではありません。売り上げや所得に対して経費の額がおかしいと疑われれば、税務調査の対象になりかねないからです。
2.会議費のルール
・上限額あり…一人あたり5000円以内
・会議中の飲食費であること
会議費については、上限額があることと、接待目的やおもてなし目的ではなく、あくまで会議中に必要となった費用のみ認められます。もちろん、場所がファミレスであっても、会議をその場所で行ったのであれば問題ありません。
3.宣伝広告費のルール
・事業の宣伝のためのものであること
・不特定多数の方へ向けたものであること
宣伝広告費は、宣伝を目的とした広告やチラシなどにかかったものが対象です。ここで注意しておきたいのが、取引先相手にのみ配るために作成したものについては、宣伝広告費にはならないということです。あくまで不特定多数であること、宣伝目的であることがポイントとなります。
いかがでしたでしょうか。経費にもこれだけのルールが設けられているのです。このルールを覚えておけば、確定申告の際に迷うことも少なくなりますよ。
覚えておきたい交際費の例外
最後にお話しておきたいのが、交際費の例外ルールについてです。
例えば、初めは友人との食事会や飲み会の席が、利益を生むような食事会になった場合、交際費として計上できると思いますか?
答えはイエスです。
友達との久しぶりの飲みの席であったとしても、そこからお互いの仕事の話になり、取引できるような話になれば、これは立派な交際費になるのです。ただ、どのような場合でも、必ず誰とどこでどういった食事をしたのかが分かるよう、詳しく手帳などにつけて管理しておくようにしましょう。