国民年金よりもお得!?確定拠出預金のメリットとデメリットとは

私たちが老後になる頃に、どの程度国民年金をもらえるのかというのは期待できない時代となっています。しかし老後に必要な資金をためておく必要があるという現実に注目を集めているのが確定拠出年金という制度です。

多くの企業や個人が取り入れている確定拠出預金のデメリットとメリットをご紹介します。

確定拠出年金は2種類ある!

確定拠出年金には2つの種類が存在します。1つ目は個人が掛け金を支払って加入する「個人型」、2つ目は企業が雇用している従業員に福利厚生の一環として加入する「企業型」です。後者は企業が掛け金をすべて負担する場合と、双方が何割かずつ負担額を分けて支払う場合があります。

確定拠出年金の特徴を知ろう

では確定拠出預金の中でも、個人が自分の意思で加入できる「個人型」の特徴について詳しくご紹介していきます。ちなみに企業型は企業が加入を決めないと従業員は加入することが出来ません。

また通常の国民年金は自分で掛け金の利率を決めることもできなければ、ましてや運用することなどできません。しかしそれが可能であるのが確定拠出年金です。もちろん運用次第では掛金よりも受取額が減ってしまうというリスクもありますが、逆もしかりとなると運用すること自体が楽しみになる年金だと言えるでしょう。

個人型の確定拠出年金に加入できる方の範囲は平成27年度に大幅に広がっています。以前は加入することが出来なかった公務員や企業年金を利用している会社員、専業主婦も利用することが出来ます。

国民年金のように強制される年金でないことから、自分の意思で加入する時期を決めることができるというのも確定拠出預金の特徴の1つです。国民年金だけでは老後の資金を調達できないと考える方に、金融機関への貯金とは違う側面で備えることが可能なお得な年金制度です。

個人事業主の方は個人型

では個人事業主の方が確定拠出預金を利用することは可能なのでしょうか?自営業者である個人事業主ももちろんその対象です。

特に個人事業主の方は事業が軌道に乗るまではどうしても日々の資金繰りだけに目が行きがちです。しかし自身の将来的な備えももちろん蓄えていく必要があり、それは国民年金だけでは不十分です。そういった意味からも将来の貯金とお金の運用の側面をもつ個人型の確定拠出預金を利用したいものです。

会社の事業をしながら、同時に将来の資金運用も行うというのはある意味、事業での運営能力アップにもつながること間違いなしです。

個人型確定拠出年金の加入条件と掛金上限

では、個人型確定拠出年金に加入する際の条件と掛金の上限についてご紹介します。まずは2つの条件と掛金の上限を以下にご紹介します。

1.年齢:20歳〜60歳未満国民年金加入者(個人事業主及び配偶者など)
→月の掛金 68,000円
※国民年金基金への掛金及び国民年金に対する付加保険料を含む

2.年齢:60歳未満の会社員であり、お勤め先の企業年金や企業型確定拠出年金に未加入の方
→月の掛金 23,000円

国民年金よりもお得!?確定拠出預金のメリットとデメリットとは

確定拠出年金加入の3つのメリット

続いては確定拠出年金に加入することで得られる3つのメリットについてそれぞれご紹介します。

1.掛ける時も受け取る時も控除対象

1つ目は税金の控除を受けることができる点です。これは、確定拠出年金を支払う時=掛けるときも、掛けた年金を受け取るときにも当てはまります。

掛金は毎月支払っていきますが、そのすべてが所得控除の対象となります。つまり掛金×税率分が確定申告をすることで戻ってくるのです。控除と言うと生命保険の控除を思い浮かべますが、この控除には上限があります。しかし確定拠出預金の掛金控除には上限がないため、非常に大きな節税となります。ちなみに所得控除という事は所得税と住民税両方に対して節税メリットとなるわけです。

また支払った掛金でたまった年金を受け取る際も控除を受けることが可能です。例えば60歳になった時に年金を一時金として受け取るとしましょう。非課税とすることができるのが「年金の支払い年数×40万円」に当たる額です。もし20年以上加入していれば70万円分は税金がかからないのです。

掛ける時も受け取る時も節税が出来るというのは非常に手厚いメリットでしょう。

2.投資利益が非課税

2つ目は確定拠出年金で運営をしている中で受け取ることができる投資利益が非課税となる点です。確定拠出年金は投資の意味合いを持つ商品であるため、投資信託の場合は分配金を受け取れます。また定期預金商品を利用した場合は金利を利益として受け取ることができます。

しかも非課税になる期間に制限もありません。NISA(少額投資非課税制度)というサービスが注目されていますが、この制度は投資から5年と制限があります。一方の確定拠出年金で得た利益に関しては運用している間は非課税になります。

非課税で受け取った配当金を加えてさらに再投資すると、利回りは実質的によくなるという利点もあります。

3.破たんリスクがミニマム

3つ目は投資につきものの破たんリスクがミニマムであることです。

国民年金基金を例にとって考えると1兆円という非常に大きな金額の積み立て不足が露呈しています。これは古くからの契約者に高利率を約束していることが原因となっていますが、それを覆すわけにもいかない今、負担するのは若い世代となります。

しかし確定拠出年金の場合の年金管理は国民年金基金のように1つではないため、個人ごとに管理運営されています。そこで自分が投資した商品価格が下落した場合のリスクを負うだけで済むのです。

そういった意味で非常に現実的でリスクが最小限だと言えるでしょう。

国民年金よりもお得!?確定拠出預金のメリットとデメリットとは

確定拠出年金加入の3つのデメリット

確定拠出年金加入の良い面だけを見ていても不安は残るものです。そこでデメリットを2つご紹介します。

1.60歳まで基本解約不可

1つ目は一度契約すると基本的に60歳まで解約ができないという点です。つまり通常の定期預金などのように、急ぎで必要なお金が出てきたので途中解約をするための資金としてあてにはできません。

そのため、余裕をもった資金源としての運用をする必要があります。老後の費用という位置づけでの投資を行いましょう。解約こそできませんが、掛け金を下げるなどの変更は可能です。いずれにしても、利率がいいとか節税できるなどのメリットがあることから、日々のお金や先に必要になるであろうお金を考えず多めに掛けるのは控えた方が無難です。変更の手間などを考えると、余裕を持った契約をすることをお勧めします。

2.利用時に手数料発生

2つ目は手数料が発生する点です。手数料は加入時に3000円弱かかります。もう1つの手数料は毎月発生しますが費用的には数百円程度ですので積み重なったとしてもそこまで大きな金額にはなりません。ちなみに毎月かかる費用は口座を管理する手数料です。

3.選択商品によるリスクは自己負担

3つ目はご自身が選択して投資先を選ぶことからリスクが自己負担であるという点です。しかし逆を返せば、高い利率のところを選びうまく運用すればハイリターンが期待できるということになります。つまりこのさじ加減を調整する必要はあります。

ただし中には元本保証型という商品もありますので堅実に貯金という意味合いだけで利用するのであればリスクは発生しません。

市場の動向を見ながらお得に運用する確定拠出預金のメリットとデメリットについてお話いたしました。どう利用するかはあなた次第ですが、ローリスクハイリターンを狙うことで経営の糸口が開ける可能性もないとはいえません。